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あなたは、自分の最期の時は何を一番大事にしたいですか?
先ほど、沖縄県の翁長知事の訃報が飛び込んできました。
突然のことで言葉もありません。
正に、命を賭して、沖縄県の基地反対を貫かれたのだと思います。
心から、ご冥福をお祈りいたします。
翁長知事が、人生の最期の時、最も大事にされたのは
「沖縄に基地は造らせない。という己の信念」だったのでしょう。
政治思想でもあるでしょうし、ご自身の使命だと感じておられたのだと思います。
これほどまでの確固たる信念を貫かれる方は稀だと思いますが、
例えば、自分が最期を迎える時、あなたは何を一番大事にしたいですか?
こういうことって、普段なかなか考えないもの。
だから、考える機会をつくるためのツールをご紹介します。
アドバンス・ケア・プランニングについて
少し話は前後しますが「アドバンス・ケア・プランニング」という言葉ごご存知でしょうか。
アドバンス・ケア・プランニング(ACP: Advance Care Planning)とは、
「今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者が
あらかじめ話し合う自発的なプロセス」のこと。
簡単にいうと「もしものための話し合い」という感じです。
“もしもの時”に、自分がどんな治療を受けたいか、または受けたくないか、
そして自分という一人の人間が大切にしていること(価値観)などを、
前もって大切な人達と話し合っておくプロセスのこと。
ここで大切なことは「自分一人で考える(決める)」のではなくて、
「相手と話し合う」こと。
自分の価値観を確かめるだけでなくて、共有することが大事なんですね。
だけど、いざとなるとなかなかできない。
じゃあ日頃から考えてみるといいのかもしれませんが、
なんとなく縁起でもないような気がして・・・
それはそれでなかなか勇気のいること。
そこで、じゃあ気軽に話せるようにと、とっつきやすいゲームにしてみたもの、
それが「もしバナゲーム」なんですね。
もしバナゲームとは
もしバナゲームとは、
「もしバナカード」を用いたカードゲーム。
・・・そのまんまですね。
まずは、もしバナカードのご説明から
もしバナカード
これがもしバナカード。
トランプゲームの♣や♠の代わりに
36通りの「死ぬ間際に選びたいシチュエーション」
が書かれています。
例えば、写真にあるように
- 誰かの役に立つ
- ユーモアを持ち続ける
であったり、他にも
- 痛みがないこと
- 清潔さが保たれていること
- 機械につながれていないこと
であったり、様々。
これらのカードを切っていく(若しくは選び取っていく)ことで
最終的に今の自分や一緒にゲームをしている人の
死生観に触れることができるのです。
もしバナゲームの由来
「もしバナゲーム」をつくったのは、かの有名な亀田総合病院(千葉県)の医師であり
一般社団法人「iACP」を立ち上げた蔵元Dr、原澤Dr、大川Drの三人。
米国Coda Alliannceという団体が開発した「GOWISH GAME」を翻訳、
さらにワークショップで使うため、新たなルールを考案したのが始まり。
日本人にとって「死に際を考える」ということは「縁起でもない」ことと思われがち。
でも、敬遠されそうだけどとても大切な「縁起でもないこと」を
ゲーム感覚で気軽に話し合ってみる。
そんな機会が増えれば、いざ人生の最終段階になったとき、
自分や大切な人の価値観を最優先に物事を選択していくことができる
といことなんですね。
もしバナゲームのルール
ゲームのルールは次のとおり
・人数はだいたい4人〜5人
・「手持ちカード」として一人に5枚ずつカードを配る
・残ったカードから5枚を中央に見えるように配置
・順番に、手持ちのカードと中央のカードを比べ、
中央のカードの方が大切だと思ったら手持ちと交換する
・全員がパスをしたら新しく5枚を中央に配置
・これを3回繰り返し、最後に自分の手持ちカード5枚のなかから
特に大事な3枚のカードを選び、その理由をみんなで共有する
人数だとか、カードを切る回数だとか多少変わってくるかもしれないけれど
概ねこんな感じです。
この、「手持ちのカードを切る」「新たなカードを選ぶ」
ことを繰り返していくなかで、
今、自分が大切にしている(大切にしたい)ことも浮かび上がってきます。
「死生観」は即ち自分の生き方だったり、
価値観そのものだったりするんじゃないかな。
実際に私もやってみた
と、いうわけで。私も一度やってみたことがあります。
このゲーム、やってみるとわかりますが、
みんなの「死生観」は千差万別。
私が切ったカードを次の人が拾ったり、その逆もあったり。
「えっ。そのカードよりそっちが大切なの??」
と思うこともしばしば。
私がこのゲームをした時は、
年代もバラバラだったというのも大きな要因。
- あらかじめ葬儀の準備をしておく
- お金の問題を整理しておく
などは、やはり少し自分の死を意識し始める年代の方が選んでいました。
驚いたのが、別のグループでゲームに参加していた夫が選んだカード
- 一人で過ごす
マジか?!薄情なやつ、ぜったい面倒みてやんないゾ!
と思っちゃったけど、その隣にいたドクターは
- 専門の看護師が側にいる
ナルホド、日々人の死と向かい合っている人は
また違った価値観を持っているものだなと感じたカードでした。
ちなみに私が選んだ最後のカードの1枚はこれ
うん。まさにストレングス・ファインダーで
「自我」を強みとしているだけある。
あまり夫を責められないなと思った次第でした。
まとめ
「もしもの時について考える」もしバナゲーム、
如何でしたでしょうか。
このゲーム、みんなでわいわい喋りながらできるので
「気軽にできる」ゲームですが、意外と
自分の深いところの価値観を発掘するツールにもなります。
「私が人生のいて重要だと思っっていることは何か」
を改めて考えるきっかけにもなりそう。
そして、家族(親であったり、伴侶であったり)が
本当は何を望んでいるのかって、普段はなかなか直接聞けないもの。
更に言うと、意外と自分が思っていることと違う価値観を持っていたりするもの。
こういうゲームを通して、
大切な人たちが大事にしている価値観を
知っておくということも同じく重要なことです。
よかったみなさんも一度「もしバナゲーム」を試してみてくださいね。