ロジックモデルとは?ロジックモデルの意味、作り方をまとめました。

仕事で久しぶりに今年度の事業計画をつくっているMarkey(Markey_forwork)です。

改めてこれまでの計画を眺めてみると

Markey

う〜ん、もうチョット実行性のあるものにしたい・・・

もう少しアクションと結果が見えやすいような
ロジックモデルに沿った計画を立てることが必要、
と思ったので、改めてロジックモデルについて復習することにしました。

ロジックモデルとは

それで、ロジックモデルってそもそも何なの??

まるこ

ロジックモデルとは、
事業や組織が最終的に目指す姿の実現に向けた道筋を体系的に図示化したもので、
事業の設計図に例えられます。

Markey

事業がどのような道筋で目的を達成しようと しているのか、そのの仮説を示したもの、若しくは戦略を示したもの、という感じ。
ゴールまでの道筋を見える化するイメージだね。

まるこ

今やっていることをただ漫然と繰り返す。
これではなんの進化・改善にもなりません。
自分(組織)が一体どのような目的意識をもって取り組みを行っていて、
そしてその取り組みが目的達成に向け効果を上げているのか、
目の前のやったやらないではなくて、
俯瞰的な目で確認していくために必要な考え方、というわけですね。

ロジックモデルの構成

と、いうわけで。

実際にロジックモデルの構成をみてみましょう。

ロジックモデルとは、事業実施にあたっての

・「投入(Inputs)」
・「活動(Activities)」
・「産出(Outputs)」
・「成果(Outcomes)」

の因果関係を論理的に示したもの。

Markey

資源を投入し、活動することで、結果が出る。 ということですね。
けっこうシンプルなんだね。

まるこ

はい、そうなんです、けっこうシンプルなんです。
図で示すとこんな感じです。

そして、このロジックモデルのそれぞれの段階には対応する指標があり、
それぞれ頭文字をとってSPO指標と呼ばれています。

SPO指標

  • ストラクチャー指標
  • プロセス指標
  • アウトカム指標

 

インプットは投入される資源、
いわゆる「ヒト・モノ・カネ」ですね。
これについてはストラクチャー(Structure:構造)指標で図ります。

次に行動や取り組みといった活動(アクティビティ)を測るものとして
プロセス(Process:過程)指標

資源を投入し、活動をして現れた結果を測るものとして
アウトカム(Outcome:成果)指標

これらの指標を使ってしっかりとチェックしていうことが大事です。

PDCAとロジックモデルの関係

チェックの話がでたところで。
最近よく使われるPDCAサイクルとロジックモデルの関係について説明しておきます。

PDCAサイクル

PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、
事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)
の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する、というもの

(出典:ウィキペディア)

 

このPDCAサイクルのD(Do:実行)にあたるものが、
ロジックモデルのアクティビティ(活動)ですね。

まずはP(Plan:立案)の段階で、
しっかりとした明確なロジックモデルがつくられなければ、
何を目指すか(目標)も明らかにできないし、
C(Check:評価)において適切な指標もつくれません。

PDCAがうまくまわらないという話を時々聞きますが、
明確なロジックモデルが立てられていて初めて、
達成状況を適切に評価し改善へとつなげることができるのです。

ロジックモデルの作り方

さて、では実際にロジックモデルはどのように作られるのでしょうか?

ロジックモデルを作るときの決まりは、
最終的に達成したい状況(最終アウトカム)からスタートしてモデルを作っていく
というもの。
実際の流れは左→右なのですが、
モデルを作るときは右→左につくっていく必要があります。

私達の業界にありがちなのが、
「今やっていること」をそのまま紙に落とし、
それをそのまま今年度の事業計画とすること。
つまり、アクティビティを先に列挙することになりますが、
そうなると体系だったモデルがつくれずいびつな形になってしまいます。

まずは最終目標をしっかりと定め、
それに必要なアウトカム、中間アウトカムは何なのかを考えて
それに必要な施策を列挙していく。
その必要な施策に、現在行っているものがあれば、継続すれば良いし、
なければ新しく事業立てすればよい。

また、今やっているけれど、見てみると
モデルの何処にもあてはまらない不要なものも出てくるかもしれません。
そのときはモチロン、削ればよいわけです。

目的と目標

ここで大事なことは、

Markey

最終アウトカム(目的)はひとつであるということ

目的とはつまり辿りつくゴールです。
そのため、事業や施策の背景にある問題意識までつきつめたうえで
最終アウトカムを決定するということが大事。

一方で、最終アウトカムを達成するための中間アウトカム(目標)は
複数あってもいいのです。

なので、最終アウトカムはしっかり考えなければいけません。
ここでいう「しっかり」というのは、
その背景にある問題意識まで突き詰めて考えるということです。

たとえば
「ダイエットして痩せる!」
という最終アウトカムを設定されているとしましょう。
その時の「痩せたい理由」は何でしょうか。
とにかく体重を落としたいのであれば、
断食する等どのような手段を使ってもいいでしょうし、
「健康的になりたい」という理由であれば
栄養面に気をつけた食生活を考えなければいけません。
また、「ピッタリした服の似合うメリハリのある身体になりたい」
というのであれば、エクササイズを取り入れる必要もあるでしょう。

このように、
ただ痩せたいといっても、
その背景にある問題意識まで考えることで、
そこにたどり着くまでの目標が変わってきます。

そして目的が明確になることで、
より効果的でより多くの目標を立てていくことができます。

目指すべき場所が明確な一つであれば、そこに至るルートがいくつあっても方向はブレないわけだね。

まるこ

アウトカムとアウトプット

目的(最終アウトカム)と目標(中間アウトカム)がわかったところで、
次はアウトプットとアウトカムについて。

アウトプットアウトカム
似たような言葉ですがチョット違います。

アウトプットが直接的な結果を示すのに対し、
アウトカムはアウトプットによって得られた効果を示します。

また、アウトプットが
サービスを提供する者が活動することで得られる結果であることに対し、
アウトカムは
サービスを受ける者に起こる状態の変化、とも言えます。

 

例えば、交通安全という最終目標(目的)への一つの目標として、
交通事故の減少を上げたとします。

この目標に向け歩道橋を設置するというアクティビティ(活動)をした時、
直接的な成果として出てくるのが
「歩道橋を◯箇所設置した」という数値がアウトプット、
歩道橋を設置したことに対して得られる「交通事故が減少した」という状態が
アウトカムということになります。

そして、
これら一連の流れにちゃんと因果関係があるか
ということが大事なポイントです。
また、具体的な活動や事業内容、アウトプット等が
それぞれの段階において上位の目的を達成するため漏れなく網羅されているか
を確認することも大事なポイント。

ポイント

  • 一連の流れに因果関係があるか
  • 各段階において漏れなくアウトプットが網羅されているか

 

Markey

つまり、「縦のロジック」と「横のロジック」がそれぞれ機能しているか、ということですね。

実際のロジックモデルの例がこんな感じ↓
(「日本財団:ロジックモデル作成ガイド}より)

 

ロジックモデルは、主に行政の現場において使われている手法のようですが、
行政だけでなく会社組織の運営だったり、
もっといっちゃえば個人の目標達成のための計画づくりにも活かしていけるではないかと思います。
ゼヒゼヒご活用ください。

以上、復習おわり!

そろそろ仕事に戻ってロジックモデルにそった事業計画を立ててみます。
たぶん、うまくいく。。はず。