【茶道の作法と世界観】且座之式ー是法住法

茶道、且座之式

少し茶道のお話。

といいつついきなり七事式のひとつ、且座の式についてですが…

 

七事式

裏千家の茶の湯の式作法に「七事式」というのがあります。
心技両面の修練を目的としてつくられたもので、その名のとおり七つの式作法からなります。また、それぞれの式作法には精神的な意味付けがあり、禅語で端的に表されているのです。

 

且座之式

その作法の一つ「且座之式」、意味付けられている禅語は「是法住法位」となっています。

作法としては、客三人と亭主、半東(はんとう)の五人で催すもので、正客が花を生け、次客が炭をつぎ、三客は香をたき、亭主が濃茶、半東が薄茶を点てるというもの。

そして意味づけられている禅語が

是法住法位(このほうはほういにじゅうす)

この世の中には全て自然の道理があり、その道理に従い守るべきことはきちんと守っているのが自然の相(すがた)だという意味だそうです。
この、且座の式においても、全ての人にそれぞれの役割分担が決められていて、各自があるべきところ、守るべきことをきちんと守って最後まで役割を果たすことが大事なのだと教えられてます。

社会人として、自分の分をわきまえることは大事なことだと思います。

確かに、自分の信念を貫くことも大切です。
しかし、社会人、組織人である以上は、社会のあり方や組織の方針の中で、己に与えられた役割を精一杯果たすことが最優先だと思います。
現実には、自己主張を繰り返したり、自分の役割を越えて振る舞ったり、実力以上のことを無理してやってみたり、なかなか分をわきまえるということができなかったりします。そして物事がうまくいかなくなってがっかりしてしまったり…。
でも、そんな時にこそ且座の式の教えを今一度思い返し、全体を見渡して今自分に与えられた役割は何なのか、その役割を果たすために自分がしなければならいことは何なのか、考えてみる必要があるのではないでしょうか。

 

 

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